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女性目線で 聞いてみた
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女性目線で 聞いてみた

メンバー紹介
ぐるめ寿司 追分店
濱田
二代目CIAL桜木町店
ホン
ぐるめ寿司 追分店
古瀬

「技術」と「キャリア」を諦めない。グルメ系回転寿司の現場で輝く、彼女たちのプロ意識と本音

近年、飲食業界における女性の活躍が目覚ましい。しかし、「職人の世界」「体力仕事」というイメージが強い寿司の現場において、実際に彼女たちはどのような想いで包丁を握り、店舗運営に携わっているのだろうか。
今回集まったのは、社歴もバックグラウンドも異なる3名の女性社員。未経験からの技術習得、異業種からの転職、そして国境を越えた挑戦。彼女たちの言葉から見えてきたのは、単なる「働きやすさ」だけではない。プロフェッショナルとして自立し、自身のキャリアを切り拓こうとする力強い意志だった。マエザワフーズの現場でリアルに交わされた、本音のガールズトークをお届けする。

参加者プロフィール

● 濱田 真央(はまだ まお):ぐるめ寿司「追分店」勤務。入社3年目。軍艦巻き担当からキャリアをスタートし、現在は魚の仕込み全般を担う「女性チーフ」を目指して修行中。
● ファム・ヴァン・ホンちゃん:二代目 ぐるめ亭 シャル桜木町店勤務。入社1年目。ベトナム出身。異文化の中での挑戦ながら、持ち前の明るさとガッツで現場を盛り上げる。
● 古瀬 里美(こせ さとみ):ぐるめ寿司「追分店」勤務。入社2年目。前職(居酒屋等)と比べ、休みの取りやすさを評価。将来は店を回せるようになりたいと考えている。

司会
まずは単刀直入に聞きます。女性視点で見て、マエザワフーズのカルチャーや制度、ここが良いなと思うポイントはありますか?
古瀬
私は前職も飲食店勤務だったんですけど、ここは本当に「希望休」が取りやすいのが魅力ですね。自分の予定をちゃんと確保しつつ、仕事もしっかりできる。メリハリがつけやすい環境だと思います。
ホン
私も同じです。前の会社は土日休みだけで平日は休めなかった。でも今は平日の用事も済ませられるし、この前はベトナムへの帰省で2週間休みをもらいました。
司会
2週間! それはすごいですね。濱田さんはどうですか? 学生から新卒入社ですけど。
濱田
私は……正直、今は「人間関係」が良いから続けられているな、と感じています。
司会
「今は」ということは、以前は違った?
濱田
1、2年目の頃は悩むこともありました。でも、人間関係が良くなったのは、周りが変わったというより、自分が変わったからだと思うんです。仕事をしていく中で、自分の至らなかった点を反省して、改善して、成長した。その結果として、周囲との関係性も良好になった。人間関係が悪いと絶対に続かないタイプなので、そこが改善できたのが一番大きいですね。

司会
逆に、これはキツイな、大変だなと思うことは?
ホン
私は外国人なので、やっぱり日本語が難しいです。従業員同士は大丈夫なんですけど、お客様から魚の質問をされた時に困ることがあって。
司会
ああ、魚の種類や味についてですね。
ホン
そうです。ベトナムの私の地元は山の方だったので、そもそも生の魚を食べる習慣があまりなくて。「この魚はどんな味?」と聞かれても、自分が食べたことのない魚だと答えられない。それがもどかしいです。
司会
それでもカウンターの中で握っているんだから凄いですよ。古瀬さんは?
古瀬
私は逆のパターンですね。最近は外国人観光客のお客様がすごく多いんです。日本語が全く話せないお客様への対応は、やっぱり言葉の壁を感じて大変だなと思います。ジェスチャーや単語でなんとか伝えますけど、もっとスムーズに接客できればって。
司会
グローバルな悩みですね。濱田さんは何か具体的なエピソードありますか?
濱田
生々しいやついいですか?(笑) 今年の1月2日ですね。
司会
うわ、出た。伝説の繁忙期。
濱田
あの日、あまりの忙しさに私やアルバイトの方含め、クタクタになりました。私は軍艦担当だったんですけど、テイクアウトの注文も入るわ、営業中のオーダーも来るわで、四方八方から軍艦コールが飛んでくる。正直、死ぬかと思いました(笑)。
司会
壮絶ですね……。でも、それを乗り越えた今の表情は明るい。
濱田
終わった瞬間はボロボロでしたけどね。でも、あそこまで忙しい日をチームで回し切ったというのは、ある種の自信にはなっています。

司会
上司や先輩から言われて印象に残っている言葉はありますか?
古瀬
私は特定の言葉というより、この会社の「教える姿勢」そのものですね。どの店舗に行っても、分からないことを聞けば、店長や先輩が嫌な顔ひとつせず教えてくれる。当たり前のようですけど、これってすごくありがたい環境だなって。
濱田
私は入社当時、店長によく言われた「人に勝手に期待するな」という言葉です。
司会
「勝手に期待するな」。一見、突き放されたようにも聞こえますが。
濱田
当時の私は、仕事でもプライベートでも「私はこうして欲しいのに、なんでやってくれないの?」って勝手に期待して、勝手に落ち込むことが多かったんです。それを見抜かれて、「真央、人に期待しすぎるな」と。100回くらい言われましたね。
司会
なるほど。
濱田
最初はマイナスな意味かと思いました。でも、「最初から過度な期待をしなければ、裏切られたと感じることもない」と気づいてから、すごく気が楽になったんです。他責にするんじゃなくて、自分でなんとかしようと思えるようになった。精神的に自立するきっかけをくれた言葉です。

司会
最後に、今後の目標を聞かせてください。
古瀬
私はまだ入社2年目で、レーンでの握りも始めたばかりです。今はとにかくお客様と接しながら働くのが楽しい。でも、将来的にはもっと大きな目標として、店長のように「店を任される存在」になりたいと思っています。
司会
おお、店長宣言! 頼もしいですね。
古瀬
まだまだ勉強することばかりですけど、シフト管理や数値管理も含めて、店舗全体を見られるようになりたいです。
司会
応援してます。ホンちゃんは?
ホン
私は、魚の仕込みを全部できるようになりたいです。今はサーモンやアジはできますけど、まだ触ったことのない魚がたくさんあるので。あとは、苦手な魚の知識もインターネットで調べて勉強したい。
司会
勉強熱心だなぁ。濱田さんは?
濱田
現実的な目標として、あと1、2年で「仕込みができる女性チーフ」になりたいです。
司会
仕込みができるチーフ。
濱田
はい。今の店舗にも女性の役職者はいますが、大型魚の解体や細かな仕込みまで完璧にこなせる女性はまだ少ないんです。「女性だからできない」とは思われたくないし、男性社員と同じレベル、いやそれ以上に「仕事ができる人」と思われたい。
司会
具体的には今、どんな修行を?
濱田
店長がいない日は朝早く来て、その日の魚を全部自分で決めて捌いています。マグロの柵取り(さくどり)もやらせてもらっています。
司会
柵取りまで! 一番難しいところじゃないですか。
濱田
こないだ本マグロの柵取りをした時、血合いの処理が難しくて……。身を削ぎすぎないように、でも綺麗に取るのが本当に繊細で。まだスピードが遅いので、そこを極めていきたいですね。
司会
3人とも、自分の言葉でしっかりと未来を語っていて素晴らしいです。本日はありがとうございました!

座談会を終えて

性別に関係なく高度な業務もこなし、「仕事ができる人」と認められたいという強い向上心を持っている濱田さん。異文化の壁を努力で乗り越えようとするホンさん、そして店舗経営という大きな視座を持つ古瀬さん。
今回の座談会で印象的だったのは、彼女たちが「女性だから」という枠組みに甘えることなく、一人のプロフェッショナルとして寿司という仕事に向き合っている姿だった。
マエザワフーズには、性別や国籍に関わらず、手を挙げればチャンスが与えられ、技術を惜しみなく伝承する土壌がある。彼女たちの真剣な眼差しは、この会社の未来そのもののように感じられた。
(取材・文:マエザワフーズ)
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